教員の黛は2022年度に在外研修でバリ島へ行くかも… by黛

2021年12月22日

先生のブログ

皆さん、こんにちは。黛です。 今回は、私、黛がブログを書きたいと思います。
  勤務している文教大学では、ある一定期間在職すると、在外研修(サバティカル)を得るチャンスが得られます。こんなご時世ということもあり、研究で海外へ出たい!というのも不謹慎なのかもしれませんが、1年間のバリ島での在外研修を希望したところ、選んでいただくことができました。
  期間は2022年4月から2023年3月まで。現地では、バリ島でいつもゼミ生と一緒にワークショップをさせていただいている私立大学の観光学部の招聘教授として過ごす予定です。
  ところで、なぜバリ島に行くかといえば、研究を発展させるためです。 バリ島をフィールドとした国際協力、そして調査研究を続けて13年が経ちました。まだまだ地道にコツコツと実績を積んでいるところです。下記の論文は、Springer社の国際ジャーナルに掲載されている、最近の自慢できる論文です。  
“Is meeting the needs of tourists through ethnic tourism sustainable? Focus on Bali, Indonesia” Yoko Mayuzumi, Asia-Pacific Journal of Regional Science, 2021, Springer Nature DOI:10.1007/s41685-021-00198-4 リンク:https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs41685-021-00198-4

→簡単な内容説明: バリ島では、観光地として世界中から需要が高まるとともに、土産物産業も発展した。その結果、現地の価値ある伝統工芸品は、経験の無い職人が作る土産物としての質の低い品となり、大量生産される様になってしまった。伝統を守り、かつ土産物のニーズに応えない小規模工房は次々と廃業せざるを得ない状況にある。職人技術を保護する政策も定まっていない。伝統を守ることよりも売上に集中せざるを得ない職人と、今後の伝統文化の保護について、具体策を考えることを提案している。  
“Is there a future for agriculture in world leading tourism resort islands of developing countries? Case study about survey of consciousness about career choice of young generation in Bali, Indonesia.” Yoko Mayuzumi, Asia-Pacific Journal of Regional Science, 4, pp91–110, 2019, Springer Nature DOI:10.1007/s41685-019-00114-x リンク:https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs41685-019-00114-x

→簡単な内容説明: インドネシアの観光地と周辺に住む若者の多くは、華やかな観光業を志し、暑くて汚れる農業を選ばず、後継もしない。これらの若者への調査の結果、農村観光を提案すると、若者は大いに関心を示してくれた。後継者のいない農業は未来がないのではないことがわかった。兼業、もしくは副業として、農村観光のビジネスを追加していくことは若者に夢を与え、今後のやり方次第で農業は持続可能な発展を望むことができる可能性がある。  
私のモットーは、単なる訪問研究者で、面白い調査データを得て、自分の興味関心や趣味、業績のために利用して去っていく様な人にはならない、ということです。 この考え方は国際協力、そして調査研究を始めてから一貫しており、外国人の上から目線でなく、常に現地の人の目線で何が起きているのか、何が問題なのか、を捉える様にしています。 まだ他にも論文はたくさんありますが、もっともっと論文を増やして、私が研究者としてできる、バリ島の持続可能な将来の発展に寄与できる様に努力を続けたいと思います!  
  バリ島でのゼミ生と現地の大学生を招いた農村観光ワークショップの様子↓

さて、この情勢で、4月に無事にバリ島へ旅立てるかどうか。 またこのブログで近況報告をしたいと思います。

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